ミツバチ蜂の子とスズメバチ蜂の子

サプリメント、健康食品、美容食品・・・様々なメーカーから販売されている蜂の子。
粉末状に加工されたもの、蛹の状態のもの、幼虫のもの、その姿形も様々です。
このように市販されている蜂の子ですが、スズメバチの蜂の子とミツバチの蜂の子があることをご存知でしょうか?

九州地方や近畿地方の山間部等で、狩りを含んで親しまれているのはクロスズメバチなどの「スズメバチ」です。
比較的安全に自分たちの敷地内で飼育できるのが「ミツバチ」です。

子供でも捕獲を楽しめる蜂として、アシナガバチもあげられます。
アシナガバチの巣は、比較的小規模なので、市販できるほどの量を確保することはできません。
蜂の子文化が継承されていrう地域では、子供たちのオヤツとして親しまれています。

今回は、ミツバチとスズメバチに注目して、蜂の子を皆さんにご紹介させて頂きます。

巣を持ち帰る事も!狩りが楽しいスズメバチ

蜂の子文化を今に伝える方法の一つとして、蜂の巣を大きく育てて、そのサイズを競い合うイベントがあることをご存知でしょうか? クロスズメバチの若い巣を持ち帰り、餌を与えて蜂を育て巨大な巣に育て上げます。
その方法は、巣箱の前にイカの切れ端や鶏肉を吊るしておき、働き蜂がそれを切り取って巣穴に持ち込むように仕向けるのです。

大きなものになると、横幅50cmほど、高さは1000cm程度まで大きくなるそうです。
重量も5Kg〜8kgと結構な重さまで成長します。
これは毎年、岐阜県で行われている「全国ヘボの巣コンテスト」で、大きさが競われています。

この例は、土の中にあるクロスズメバチの巣を捕獲し、それを育てる事で蜂の子を手に入れる手法です。
スズメバチは、ミツバチと比べて獰猛で危険な蜂です。
巣が若い時に捕獲し、育てる手法は、大きくなった巣を襲うよりも安全に確保することが出来ます。

ミツバチと違い、スズメバチの幼虫や蛹は大きなサイズが特徴です。
オオスズメバチの幼虫や蛹になりますと、大人の親指ほどの大きさがあります。
オオスズメバチのの味の良さは有名ですね。
危険を犯しても、オオスズメバチの巣を狙いたいハンターが後を立たないのも頷けます。

比較的安心して捕獲できるミツバチ

養蜂家にとって、ミツバチの雄が悩みの種である事をご存知でしょうか? ミツバチの巣の中には、3種類の蜂が存在します。
「女王蜂」「働き蜂」「繁殖係の蜂」 このうち、「女王蜂」と「働き蜂」はメスです。
「繁殖係」はオスの蜂。
新たな生命を生み出すために働く蜂なのですが、このオスは全く働きません・・・・ 繁殖意外に働かないのですが、しっかりとご飯は食べます。
しかも、割と数も多いのです。

ここまで書けばもうお分かりですね? 「タダ飯喰らい」は、言い過ぎかもしれませんが、多くの養蜂家はオスの蜂を幼虫の段階で間引きます。

間引いたミツバチは、スズメバチに比べると身体が弱く、柔らかいので調理に向きませんが、蛹になる寸前になると身体がしっかりしてきますので、調理できる状態になります。
蛹になると調理にも十分耐えられるほどの体になります。

蛹寸前の幼虫と蛹は、養蜂家の副収入として「蜂の子」に活用されています。
スズメバチと比べてしまうと、調理の幅や見た目のインパクトで劣ってしまいますが、粉末加工用の蜂の子としては、安価に手に入る優秀な蜂の子なのです。
安価に蜂の子を手に入れられる背景には、こうした養蜂家のひと手間が役立っているのですね。

どちらも蜂の子!

スズメバチの子もミツバチの子も、どちらも蜂の子です。
その大きさや調理方法、楽しみ方に違いはあれど、同じ蜂の子ですから、基本的な効果・効能は同じです。
調理が難しければ粉末にすれば良いですし、虫の状態に美味しさを感じるのであれば、幼虫や蛹を食べれば良い。
様々な選択肢が楽しめるのも、蜂の子の良い所ではないでしょうか。