蜂の子ハンター2

ハンター。
その響きを聞いた時、メディアや書籍で紹介される狩人を思い描く方が多いのではないでしょうか。
その他には、密猟者などの悪いイメージが浮かぶ方がいらっしゃるかもしれません。

この記事で紹介するハンターは、「生きるために生命を頂く事を、職業としている人達」と表現したいと思います。
そして、その恵みを周囲の人達に等しく分け与えられる人達ですね。

生命の危険を伴う狩りを行い、その恵みを独り占めすること無く、等しく周囲の人々に分け与えられるハンターは、「英雄」と言っても過言ではないでしょう。

英雄「蜂の子ハンター」

紀元前の昔から、大人気の蜂の子ですから、「私も欲しい!!」という希望・要望が出てくるのは当たり前ですね。
しかし、捕獲するには生命の危険を伴う場合があります。
理由は想像に容易いでしょう。
蜂に刺されれば、死に至る場合があるからです。

しかし、蜂の巣には、蜂の子を始め蜂蜜やローヤルゼリー、プロポリスなどの多くの恵みが詰まっています。
蜂の巣をまるごと捕獲できれば、一度に沢山の恵みを手に入れられます。

個人差はありますが、好きな人にはその魅力は計り知れません。
特に、プロポリスは薬として活用される場合が多いですから、医者を営む人からの要望は多かったのではないでしょうか。

安全に様々な物が手に入る現代では、いかに魅力的でも「生命を失うリスクのある行動(選択)」は取りたくないものです。
しかし、そんな危険を顧みず、猛然と蜂の巣に挑む人達がいます。
人々は、そんな人達を「蜂の子ハンター」と呼び、英雄のように讃えます。

様々な工夫をこらしてハンティング

蜂の子ハンターの手法は、捕獲する蜂の種類によって細かな違いはありますが、蜂を麻痺(仮死状態)にさせて捕獲する流れは同じです。
世界各国にいる蜂の子ハンターは、それぞれに考案した防護服(所によっては裸同然)をまとい、麻痺させるための道具を利用します。

蜂の子ハンターと言えば「防護服」です。
お国柄によりますが、一般に利用されている麻製の袋を改造した防護服や、最新型の市販の防護服、蜂を寄せ付けない植物の樹液など、様々な防御の方法が伝承されています。

特徴的なのは、東南アジアに伝承されている植物の樹液ですね。
植物の樹液を粘液の状態で皮膚に塗りこみ、蜂からの攻撃を防御するそうです。

高い虫よけ効果を発揮してくれる植物として知られており、防護服を使わない現地の蜂の子ハンターもいます。
もちろん、クオリティの高い防護服を考案し、そこに樹液を塗りこんで利用するハンターもおり、安全に蜂の子を捕獲しています。

市販の防護服を利用しているのは、欧米諸国や日本のハンターが多く利用しているそうです。
その光景はしばしばテレビ番組等で放送されていますね。

必要な分だけ捕獲する心

良識あるハンターならば、常識として心に留めている言葉。
「無益な殺生はしない」「必要以上に狩りをしない」と言うこと。
蜂の子ハンターも同様です。

蜂の子ハンターの場合、絶対に薬品は使えませんし、蜂の子が育たなければ意味がありませんから、獲り尽くしまっては元も子もありません。
生きていける分だけ、恵みを分けて頂くだけです。

蜂の子の効果・効能が有名になり、需要が大きくなるに連れ、蜂の子を求める消費者も増えています。
そのため、残念なことですが、蜂の子の乱獲によって、巣の数が激減する国や地域が増えています。
養蜂による蜂の子の養殖も試みられていますが、全ての蜂が養蜂できるわけではありません。

毎日食べ続けたい健康食品として人気を博している蜂の子。
「沢山食べれば効果倍増」という類の健康食品ではありません。

効果を感じるだけの必要な量を毎日摂取することで、未来永劫に蜂の子を食べられるよう、私達も気をつけるべきではないでしょうか。
獲り尽くしてしまっては意味がありませんからね。