意外に美味しい蜂の子料理

虫を食べる行為を、「昆虫食」と呼びます。
蜂の幼虫や蛹、イナゴなどの昆虫を食べる文化が現代にも残っており、蜂に限らず、様々な昆虫の幼虫や蛹が世界的に食べられています。
蜂もそうですが、幼虫や蛹だけではなく、成虫も食べられる場合があり、昆虫食は意外にも身近な文化として伝えられています。

日本の山間部に伝わっている昆虫食と言えば、「蜂の子」や「ザザムシ」でしょう。
蜂の子は栄養価が高く、他の昆虫に比べて味も良いため、様々な調理法で親しまれ、瓶詰めや缶詰などで販売されています。
さらに、栄養価の高さが注目となり、サプリメントとしても人気を得ています。

今回は、そんな蜂の「昆虫食」について、美味しい調理法をご紹介させて頂きます。
見た目が苦手な方もいらっしゃると思いますが、一度食べてみると意外に美味しいと評判です。

<<注意>>

蜂の巣には、寄生虫や寄生蜂、細菌がいる可能性が高く、蜂の子の体内(特に幼虫)にも存在する可能性があります。
蜂の子文化が伝えられている長野県や岐阜県では、「必ずしっかりと火を通す」のが常識と伝えられています。
どうしても自分で食べたいとお考えの方は、自己責任でお願いいたします。

茹でる

幼虫は油で調理すると破裂する場合が多く、茹でて食べるのがスタンダードです。
オオスズメバチのサイズであれば、網焼き等を楽しむことが出来ますが、一般的に流通しているクロスズメバチのサイズですと、茹でるのが丁度良いでしょう。

幼虫の内臓には独特のエグみと申しますか、「クセ」があり、それがたまらないという人もいるようです。
その「クセ」を取り除きたい方は、しっかりと茹でた後、頭を取り除き、プチッと押し出す要領で体内の黒い部分(内蔵?)を取り除きます。

頭と内臓を取り出した蜂の子は、豆のようなナッツのような味を楽しむことが出来ます。
お吸い物等の汁物に入れると、出汁が染みこんで美味しいと評判です。
蛹は煮こめば煮こむほど柔らかくなり、最終的には「豆腐のような何か」という表現のような食べ物になります。

焼く

この調理法も代表的なものですね。
注意しなければならないのは、幼虫や蛹を油で炒めてはダメです。
せっかくの美味しい部分が破裂して、スカスカになってしまいます。

中火でコロコロと転がしながらこんがりと焼き上げれば完成です。
オイスターソースやウェイバーなどの調味料で味付けしても美味しいですが、一番蜂の子の旨味を感じられるのは「塩」です。

幼虫の内蔵は、独特のクセがありますが、蛹になるとクセがなくなりクリーミーになります。
特にクリーミーと言われているのが、オオスズメバチの蛹です。
お酒のつまみにぴったりな調理法ですね。

カラッとあげる

先に説明させて頂きましたが、幼虫や蛹は破裂してしまうため、油での調理は控えたほう無難です。
しかし、成虫になると話は別になります。

成虫は油でカラッと上げると、スナック菓子のようなサクサクとした食感になります。
蜂は非常に強力な毒を持っていますが、油で加熱することによって効力が失われるそうです。
また、油で調理すると毒針が「抜刀」された状態になるため、毒針自体もカラッとあがっています。

「エビに似ている味」という情報も見かけますが、ナンプラーなどで味付けしないかぎりは蜂の味です。
香ばしく蜂の風味が口いっぱいに広がります。

蜂の素揚げ(塩味)は、ビールのおつまみに最高です。

意外と美味しい昆虫食

いかがでしたでしょうか。
「茹でる」、「焼く」、「あげる」の基本的な調理法をご紹介させていただきました。
ここからのバリエーションとして、魚のお吸い物やバターソテー、トースト等にも応用可能です。

いろいろな食材がある中で、わざわざ昆虫を食べなくても・・・と言う人が多いかと思いますが、蜂の子は意外に美味しい食材です。
東南アジアでは、普通の食材として認知されており、高級ホテル料理としても知られています。

日本では、甘露煮などの加工品が流通しておりますが、チャンスがあれば実際に狩りをして食べてみるのも楽しいと思いますよ。