蜂の子ハンター
日本の山間部に伝わる珍味「蜂の子」。
高い栄養価と見た目に反した美味しさで人気を博し、栄養価の高さから、美容食品や健康食品に加工されています。
豊富に含まれるアミノ酸によって、体作りをサポートする効果・効能は、多くの研究者によって認められ、今なお研究解明が続けられています。
蜂の子は日本の山間部だけに伝わる文化ではなく、世界に目を向ければ「当たり前で日常的な食材」と言っても過言ではありません。
紀元前のギリシャ時代には、すでに職業としての養蜂家が存在しており、庶民から位の高い人まで、多くの人に愛されてきた事実があります。
さらに、養蜂家意外に、すでに職業として存在していた職種があります。
それが「蜂の子ハンター(蜂ハンター)」です。
今回は、昔から存在していた意外な職業「蜂の子ハンター」について、皆さんにご紹介させて頂きます。
ハンティングは職業となる「技術」
世界で最初に生まれた職業の一つと言われる「ハンター」。
「○○ハンター」のように呼称されるほど、種類も豊富。
それは当然の話ですね。
人類が生きていくために、最初に行わなければならないのが「狩り」だったわけです。
効率よく狩りを行う方法は、「技術」として継承・伝承され、現在に至ります。
美味しい動物や薬の原料となる動物は、必然的に需要が高くなります。
それらを効率よく狩る為に技術を磨き、頼られる存在。
それが「ハンター」と呼ばれる人達なのです。
命がけの職業「ハンター」
狩りとは危険と隣り合わせ。
猛獣を狩るハンターと同様に、蜂の子ハンターも危険と隣り合わせ、いやそれ以上に危険が伴います。
防護服の小さな穴から侵入され、全身を刺されて苦しむというシーンを想像してみて下さい。
アレルギー反応による、アナフィラキシー症状によって死に至る場合もあるのです。
さらに、世の中とは不思議なもので、危険で獰猛な蜂ほど、美味しい蜂の子を捕獲できる場合がほとんど。
だからこそ、蜂の子ハンターが英雄視されるとも考えられます。
仮死状態にして捕獲
蜂の子を捕獲するには、殺虫剤などで殺してはいけません。
あくまでも、「生け捕り」にしなければならないのです。
そこで、蜂の子ハンターは、煙などを利用して蜂の巣を燻し、蜂を一時的に仮死状態にする手法を取ります。
こちらも国によって違いはありますが、蜂を効率よく仮死状態にできる専用の植物が繁殖しており、蜂の子ハンターはそれを利用して蜂の巣を燻します。
日本でも、山間部に伝承される「蜂を燻す専用の燃料」が存在します。
効率よく燻せる物は、蜂専用として商品化されており、販売もされています。
燻された蜂は仮死状態になりますが、おとなしくしている時間は短く、すぐに復活してしまいます。
そこで、仮死状態になった状態で、冷蔵庫などの温度の低い場所に移動し保管します。
そうすることで、仮死状態を長時間維持するのです。
「冷たい環境で仮死状態を維持する」という方法は、広く知られており、冷蔵庫の温度にもよりますが30分程度で完全な仮死状態にすることができます。
科学的な方法として、二酸化炭素によって麻痺させる方法もありますが、量の調整が難しく、専門家でも難しい方法です。
蜂の子ハンターの努力の結晶です
今回は、蜂の子ハンターの存在と、捕獲の難しさについて、ご紹介させていただきました。
詳細な方法ではなく、かいつまんだ情報を公開させて頂きましたが、その難しさと繊細さを感じていただけたのではないでしょうか。
粉末状態になっている蜂の子は、サプリメント等に加工されて、私達の元に届きます。
それら全ては、日本だけではなく、世界各国にいる蜂の子ハンターの努力と根性の賜物と言っても過言ではないでしょう。
私達が親しんでいる、「毎日の蜂の子」は、蜂の子ハンターのおかげで成り立っています。
毎日食べる時、蜂の子ハンターに「感謝の気持ち」をこめて頂きましょう。